2007年12月21日

『執事喫茶並行ネタ』―セシュウス帰宅

ぱぱ(略)様とのリレー小説
当初はプロフでやり取りしておりましたが、途中から文字数制限のため掲示板に以降致しました

ぱぱ(略)様のご主人様こと大ぱぱ(略)様のセシュウス氏ご来訪のお離し


■白刹
久々の知らせが何かと思えば
何の事はない
勤務してる喫茶店が多忙で
子守りを頼みたいらしい
それぐらい何とかしろと言いたいところだが
子守り相手は旧友の仔達
その成長が見たくないと言えば嘘になる

「仕方あるまい。……ん?」

間も無く門だが
己が使い魔の城が見えた時より
違和感を感じていた
次第に近づくに連れてそれは確信に変化する

―何かある

■千歳
仰々しい名に反して日向の似合う白鴉城
この門に足を向ける青年が一人居た
血の気の引いた青い顔、カラスの濡れ羽のような長い黒髪

(・・・こいつか?アレの言ってた悪の使者って奴ぁ)

ふいに見かけてはふいに消えうせる、摩訶不思議な光る羽虫

(確かに悪そうな面してやがる)

(警備システム作動・・・こっからはお前の仕事だ、左業)

■白刹
もしやあの幼児達に何かあったのだろうか
意を決して、何かに気取られぬよう慎重に
脳と身体を戦闘状態に移行
傍目には無防備に門に手を掛けた

瞬間、自身の勘を肯定するかのように
猛禽類の速度で城壁を伝う蔦が殺到
ぎりぎりまで蔦の動きを観察し
一旦、後ろに飛びすさる
やはり狙いは手足
追い討ちをかける蔦に
手首に隠し持った短剣を取り出し、斬り捨てた
尚も追撃する蔦に同時に放った封術弾から
青白い閃光が洩れ、長筒に封じられた爆炎の魔術が展開
耳を劈く轟音が鳴り響き
前門ごと蔦を吹き飛ばした

城状態:90%(ぁ

■千歳
(さぁて、どうしたものだろうね)

城を覆うツタの数々
それらの正体は精霊が姿を変えたものだった
生まれては消え、消えては生まれる
主の血の混じった水を報酬として城を警護しているのだ

それらを統括するのが自分の役目
四肢の自由を奪うことが叶わないのならば

(罠ってのは、一種類じゃその役目を成さない・・・)

■白刹
後退してもキリがないと判断し、
炸裂しきる前に城を目指し、入口に向かって疾走する

「何者かは知らんが、良い度胸だ…」

この様子だと恐らく城内でも何かが起きているだろう
太や遊、唯は無事なのか…
子ども達の安否をよそに
蔦を切り抜け前門を通り過ぎて間も無く
突如地面が崩れる

「なっ…!?」

足場が崩壊
周到に仕込まれた仕掛けの中に
引きずり込まれる前に飛翔し、前進する
立て直しをする猶予はない
一気に切り抜ける
落とし穴の隙を突き、前方に回り込んだ蔦に
詠唱し終えた爆発系の呪文を展開し、
眼前を高火力の炎と爆風で薙払う
蔦を破壊するだけでなく、
爆音で中の子ども達に救援を知らせるのが目的
眼前の扉を前に爆風を切り抜け突入し、
拳に力を集中させる
待っていろ、もうすぐだっ

城状態:76%

■千歳
(ンだと、コイツ・・・!!)

次々と突破されていくトラップ。
すっかり崩れ原型を留めていない城門。
主が見たら、どんなに嘆くことだろうか。
いや、とかぶりを振る。

(アレのことなんざ、どうでもいいんだ。
問題はここまで進入を許した己の未熟さだ)

左に頼りすぎていたかもしれない。
確かに、自分には現実に干渉する力は、無い。
だが諦めては何事も成し遂げられるはずが無いのだ。
主の悲しむ顔が脳裏をよぎる・・・。

(いや、アレのことなんざ、どうだっていいんだ!)

本日五回目の叱咤。
左が見たら笑うだろう。

■白刹
この大陸の呪文や魔術体系はさまざまだが
本来得意とするのは大陸の大部分を占める呪文と
異大陸の体術の発展系である気の組み合わせ
一対一で真価を発揮するこの技術は、
大陸でいう爆裂の呪文に近いものがあるが別物である
拳にて練り上げた気を瞬時に大陸の呪文で再構成
更に肉体の限界を呪文の補助により一時的に解除、増強する
「喰らうがいいっ」

引き絞った拳を神速で鉄扉に叩き付け殴り抜け衝撃が城を揺らす
特大の破砕音とともに文字通り爆砕する鉄扉
発生した衝撃波は爆裂し、城の鉄扉接合近辺もろとも吹き飛ばした
完璧に制御された一撃により、拳は軽い裂傷程度
が、そのまま突入しようした足がぴたりと止まる
「……ん……?太雅……と遊陽?」
いつもと変わらぬ顔を覗かせる子ども達がそこにいた

城状態:56%

■千歳
幾ら「実は温厚」「実はツンデレ」と評されようとも、扉を焼き飛ばされた時には、そんな理性など微塵も残らないものだ。
(なんだってっ!
此処で最大威力を発揮する筈の・・・精神トラップを潜り抜けやがっただと!?)
壁を強く叩く。
だが、そこに壁など、ある筈が無い。
人間だった頃の名残だ。
つまり、気分の問題だ。

迷惑来訪者に子供達を発見された時は、もうお終いかと思った。
城の状態を考えなければ、あらん限りの質量で来訪者を押しつぶす事が可能だ。
(ただそれをやると、きっと、千歳の身体に大きな負担がかかる・・・)
子供達を取るか、主を取るか。
正しく言うならば、子供達を守りたいと思う千歳の心を取るか、主自身の身体を思うか。
選ぶまでも無い。
左業が覚悟を決めた時、その場を打ち消すように暢気な声が聞こえた。

「あれれ?太雅殿も遊陽嬢もどうしましたか?
今日は地震が多いですから、危ないですよ」

唯と呼ばれる赤子を抱いた主が、眠たげな様子で姿を現したのだった。

■白刹
「太雅、遊陽…?」
それにあそこにいるのは
唯と…何者だ?

おっとりとした外見からは想像し難いが、
明らかに通常の人間ではない

…人間に宿って…
…使役、している?

一連の出来事に結び付けて考えるならば
この罠を張った…いや、使役していたのは
この男に違いはあるまい
ただー…
「ただ…故意に人を傷つける者の眼ではないな。
 何者だ、事情を聞かせてもらおう」


千歳と名乗る男から
全ての事情を聞いた後
静かな怒りの矛先となった城は危機状態へと変わり果て
同様に、愚かな使い魔も同じ道を辿る事が決定事項となった



「後の風景」
改修作業を行った城で
誤解も解け
ゆったりと過ごす千歳
隣に久しぶりの赤子に餌―否、食事を与えるセシュウス
変わらずに食事を取る太雅、遊陽
片目を隠すために覆っていた包帯が
八割増しに増量した白刹
掠れた陽が差し込む世界は今日も緩やかに回る
何事があれど、緩やかに そして確実に
posted by 夏山千歳 at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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