2012年09月09日

flowery waltz




..
■星屑の宴'12■ 国外社交場 ― 天に灯を地に星を そしてあなたに愛を込めて  

アロー、アロー

何時か誰かがこぼした言葉を、見知らぬ誰かが掬ったら
これまで歩んだ砂浜の潮騒に、あなたの紡いだ歴史を絡めて

今宵、幾億の星屑が降り注ぐ夢が始まる

パーティーフロアを見守る上天、十色の祈りを灯篭に託し
白鵲が告げるタイトルコール、願いの架け橋渡る足音
いつしか旋律を刻む二人の、繋いだ手と手、重ねた心

紳士淑女の皆様方
実行委員が一人、lumen lunaeが皆様を導きますのは、まこと此の世の至上の宴
月の光の降り積もる道が貴方への招待状

どうぞいらして、国境線を越えて開かれたフロアに
扉を開くのは貴方自身のほんの少しの勇気だけ


ようこそ、星屑の宴へ


アロー、アロー・・・

■人造兵と男性のやり取りを眺める人影@lumen lunae

金色のヴェールに寒色のアオザイ、月下美人の花。
何よりも『実行委員』の腕章が目立つ、そういったやたら背の高い青年だった。

「ようこそ、宴へ。
衣装のレンタルをご所望ですか?」
にこやかに声をかけたところで、気付く。
「ロックフェスの方!」
またこうして顔をあわせる機会に恵まれるとは、思わず喜色が強く混じる。
そんな自分の所作に少し恥じながらも、千歳やんって親しみがあって好きでした、なんて伝えつつ。
「と、更衣室は此方になります。
アルバート様は野性的な様が魅力的に思えますから、逆にかっちりとしたブラック・タイなど素敵でしょうねぇ。
でも夏ですし、麻のスーツでも涼しげで良うございますかと」

胸にスーツを当てながら悩んでいるようだが、その方向性は決まっているらしい。
「そうですねぇ」
静かにその場を離れ、手近な花瓶に挿してあった一輪の切花を処理する。
戻る頃には心決めていた様子。
指定された一着を差し出しながら、そこに一輪のライラックを添えた。
「花言葉は『友情』にございます、宜しければ胸元にどうぞ」

ホールへは表の人造兵が案内致します、と告げて。
これでお役御免かと、ゲートに戻ろうとした時。
更衣室に向かう背中が振り返り、問いかけてきた。
「お酒はフロア内のボーイに頼んでいただければ、ご用意出来ます。
よろしければ奥にバーカウンターもございますから、宜しければお越しください」
微笑みと共に案内を告げて、一礼をした。

そうしてゲートに戻る途中、慣れた香りが鼻腔を擽る。
「あ」
小柄な身体ながら堂々とした態度、それに相応しいだけの度量を持つ小さな友人。
「ラヴィ嬢っ!
ようこそ、宴へ!」
反射的にその手を取って、今は委員の一人だったのだと思い出して、手を離す。
「ご、ごめんなさい、急に。
うん、でもあなたがいらしてくれて嬉しい」
かがんで目線を合わせ、笑いかける。
進行方向からして酒の貯蔵庫に向かっていたように思える。
・・・彼女の、ザルどころかワクどころか『底のないタル』と呼ぶに相応しい飲酒量を思うと、それは少々、不味いような気がして。
「宜しければ奥にバーカウンターがございますから、行きません?
案内致しますよ」
静かな場所をご所望ならテラスもございますよ、と。
手を繋ぎなおしてフロアに向かおうとした、その時。

「・・・・・・あ、はい、不審者が三人、大扉の前で。
え、本部の許可は取ってある?
はひ、では連行も捕獲も不要と、了解」
左手の袖口から何本かの蔓草を生やしながらも、インカムの向こうからは問題無しとの指示に、少し残念そうな青年。
「人畜無害らしいですよ・・・まぁ、その、非常口から案内致しますね」
見ちゃいけませんと言いたげな顔をしつつ。
少女の手を引いて、そっとその場から立ち去った。

■flowery waltz 〜全ての星の輝きへ月の光からの贈り物〜

さて、青年がダンスに連れ出される少し前の事。

ダンス解禁のアナウンスを終えて、更に賑わいを増したホールをスタッフルームから覗き見る。
体裁だけの名と言えど、社交場の主人を務めるならば、客人はすべからく持て成さねばならない。
燻り続けていた使命感にようやく火をつける時が来たと思った、だがしかし。
「知か才があれば良かったのですけれどねぇ・・・」
ドリンクサービスを行うにはアルコール類への造詣も無く、さりとて気の利いたサーヴィスも思いつかず。
はじめの一歩に思い悩んでいた時、チェストに飾られていた『それ』に気付く。

そうして踏み出した、第一歩。

「ようこそ、初めてのお客様!
記念に花を一輪どうぞ、花言葉は『常に新しい美を』です」
まずは手近なバーカウンターから。
燃えるような赤毛とシックな黒の対比が蠱惑的なライアード嬢にハイビスカスの花を差し出す。

銀のお盆一杯に載せられた花、花、花。
全てが長持ちするよう、丁寧に処理をされた切花の数々。

同じくバーで寛ぎながら、オリジナルカクテルを陽気に飲み干す男性に目を向ける。
名高きエー酒のカクテル、かつて友人の少女が作ったフローズンカクテルに想いを馳せながら。
ちらりと目が合った瞬間にウインクヒトツでお返事を。

「あら、ジノ殿、いらっしゃいましな!アカリ殿をお探しですか?
どちらにいらっしゃるのでしょうねぇ・・・あぁ、そうだ、此方をどうぞ」
涼しげな格好のバードマンに足を向け、笑顔と共に差し出したのは都忘れ。
花言葉は『しばしの憩い』です、なんて、活気の中心に必ずいるこの方の一時になりますようにと祈りを込めて。

「エストレヤ嬢!いらしてくださったのですね、嬉しい!
ようこそ、闇夜の露の姫、花言葉は『小夜曲』にございます」
バーから次の人波へ移動中にすれ違ったのは罰ゲームという名の苦楽を共にした星の君。
演技めいた挨拶と共に差し出したのは小さな露草の花束で、単純な発想に照れ隠しの笑みをヒトツ。

そう、これが。
一番最初に応対したアルバート殿に天啓を得た、花を愛する青年ならではの持て成し方だった。

「あら、ラヴィ嬢、るちる嬢とご一緒だったのですねぇ。
ようこそ、小さなお姫様方」
まずはソファに持たれる針水晶の少女へ膝をつき、こちらも小さなかすみ草の花束を。
「花言葉は『切なる喜び』」
次に先程、案内をした小鬼の少女へは、真っ白なカラーを。
「こちらの花言葉は『夢のように美しい』」

二人の手を取り、しっかり渡して、笑顔ヒトツ。

「あ、やっぱり、サイイド殿!先程、星の方にお会い致しましたよ。
あなたには、そうね、此方を・・・花言葉は『栄光』にございます」
窓辺に立つ、異国情緒溢れる一人の男性に駆け寄る。
燃え上がるようなグロリオサを一輪。

すぐ傍のソファにはラムを舐める黒狐が一人。
反射的に白兎の影を探しながら、チョコレートコスモスを差し出す。
「宵宮殿、いらっしゃいませ!カナンもいらっしゃるのかしら。
と、それでは歓迎の印に、花言葉は『移り変わらぬ気持ち』です」

時系列は少し前なので気にするなという天の声の元、戯れあう三人に顔をほころばせる。
「紳士様、白藤殿、いらっしゃいまし!
そうね、紳士様には此方を、花言葉は『喜び』、白藤殿には此方で、花言葉は『永久の幸福』」
ダリオ殿には名により沿ってシャムロック・・・白いカタバミを。
白藤殿には冬の最後を彩る福寿草。
「ようこそ、お二方とはご友人なのかしら、だとしたら嬉しい。
ご来場の記念に花をどうぞ、花言葉は『高潔』です」
乾杯のグラスの音も涼やかに、ラムダ嬢にはてっせんを差し出す。

パーティー料理が広がるテーブルへ向かう最中、白い装束をいなせに着こなした男性とすれ違う。
「ようこそ、星屑の宴へ!
お約束の方がいらっしゃるのかしら、良かったら花を一輪どうぞ」
エルと呼ばれたその方に、花言葉は『晴れやかな魅力』です、と添えながら胸に挿したのはラナンキュラス。

丁度、その男性へ向かい来る二人の乙女。
「ギゼ嬢、晨輝嬢、いらっしゃいましな!
今、花をお配りしていたのですよ・・・お二方には、うぅん、そうねぇ」
暫く悩みながら、それぞれに差し出したのは対照的ながら控えめな二色。
「ギゼ嬢へは勿忘草を、花言葉は『真実の友情』。
晨輝嬢へは吾亦紅です、花言葉は『愛慕』」

入り口近くでパンダメンショーを眺めていたのは、国内でも見かけた青い髪。
「此方にもいらしてくださったのですね、ありがとう。
片梨様にはお名前にかけてこの花を、花言葉は『とても幸せです』」
立ち上がる助けにと手を差し出して、もう片手には梔子を握らせた。

そんなパンダメンズは、一部はダンスへ、一部はやれやれ終わったとばかりに休憩中。
つついと近寄り、執事様、元院長、店主様の三人へレモン水と一緒に差し出したのは。
「お疲れ様でした、大好評でしたね!
執事様とゆるしー先生と朱鞠凪殿にはサフランを、花言葉は『歓喜』にございます」

同じく、飛び入りの悪役を演じきったリーナ嬢にも近寄る。
「流石の身のこなしにございましたね、ふふ。
剣聖の君には、そうね、真っ赤な椿を・・・花言葉は『気取らない美しさ』です」
レモン水と一緒に花を差し出し、髪色によく映えますよ、なんて些細なアドヴァイスを残す。

さて、長い旅路も終わりを迎えて、ようやくたどり着いたのはパーティーテーブル。
「帰嬢、ビスコ嬢、いらっしゃいませ!お会いできて嬉しい!
じんぎすかん、ですか?・・・あぁ、羊肉、楽しんでいらっしゃるようで何よりです」
異なる国、異なる種族を超えて意気投合の様子を見せる二人に差し出す一輪ずつ。
「帰嬢には桔梗を、花言葉は『気品』にございます。
ビスコ嬢には時計草を、花言葉は『聖なる愛』」

ここで一息の休息を。
人造兵が差し出してくれたグラスを煽り、血肉に駆け巡るアルコールにひどく気分が高まった。
あぁ、楽しい、そんな気持ちを少しでも分けられたのならば。
小さな決意も新たに今度はダンスホールへ歩き出す。

「ルチル嬢、比呂翔殿、国外社交場でのオープニングダンスをありがとう!
lumen lunaeからの気持ちです、花言葉は『あなたにほほえむ』」
図らずとも、ではあろうが気付けば最初のダンスペアに。
二人のダンスを彩るように、桜の花弁を降らせる。

「ルー様、ヨンハ嬢、ようこそいらっしゃいました!
またダンスを拝見できて嬉しいです、記念にどうぞ」
パーティーテーブルで語らった後、手を取り合った女王と姫には桃の花弁を。
花言葉は『チャーミング』です、と言い残し。

「チーム『ふがし』!!」
一際目を引く一群に駆け寄ると同時に、なんとも気の抜けた名前で呼びかける。
それでも、その言葉に彼らが笑みを浮かべる事を青年は確信していた。

「アカリ殿にはアザレア、花言葉は『愛されることを知った喜び』」
まずは銀髪たなびかせる小児科医兼バーテンダーに赤い花を。
「AN殿には木香薔薇、花言葉は『純潔』」
宴の中心に欠かせない偽りの聖職者には、レトロジカルな花を。
「桜伽嬢には山査子、花言葉は『ただ一つの恋』」
名前の通りの華やかさと切なさを胸に秘めた少女には白い花を。

それぞれに向かってぽんと投げ、受け取った瞬間にまとめて三人を抱きしめた。
「ふふっ」
悪戯成功とばかりにすぐに離れて、足元で目を回していた白猫を抱き上げる。

「最後はあなたです、シャオ嬢。
お会いできて良かった、潮騒の国の大好きな友達」
ぎゅっと、少し強いくらいに抱きしめてその首もとのリボンに添えたのは。
「千日紅です、花言葉は『変わらない愛情を永遠に』」
高い高いをするように掲げて、くるりと一回転。
そっと床に降ろして、銀のお盆を小脇に抱えて。

「それでは皆様、引き続き、寛ぎの一時をお楽しみくださいませ」
典雅な挙措で一礼し、flowery waltzの終焉を告げる。
umen lunaeは踊るような足取りでスタッフルームへと駆け抜けていった。

■おはな。:ひゅ
会議室以上に人の流れが激しい場に、そわそわと落ち着きのない仕草。

瞳を、つむった後の深呼吸ひとつで前を向くと。
音は静やかに場へ向かう、薄紅を纏う桜色のネレイドが、ひとり。


手には雪に似た花、色は白。包まれた三輪の一束を、抱くようにしていたが。
国外社交場の主へと近付くと両の手のひらで水をすくうように。
真っ直ぐを横にしたホワイトレースフラワーを、恭しく差し出した。

「御機嫌よう、千歳さん。華はいいわね。可憐さと気品に満ち溢れている。
お疲れさまも込めまして。よろしければ、こちらを。」

花は好きだが。その意味は、あまり詳しくない。
シンプルに感謝の意を持つものを選んでみた。

■喜びのあまりに2レスになってしまって・夏@lumen lunae

それはある企画のために水面下で動いていた青年が、目当ての資料を片手にフロアを横切っていた時の事。

「御機嫌よう、千歳さん」
耳慣れない声に足を止める。
「あ、彪月嬢、ですね、ご機嫌麗しゅう。
此方のフロアにも、ようこそですよ」
どこか浮き足立っている様子の淑女へ、少し屈んで目線を近づける。
月と太陽の花火。
自画自賛で恥ずかしい気持ちはあるが、それでも紹介実況を担当させてもらえて良かったと思えたペアの方だった。

そんな淑女から、大切そうに差し出される花束。
「・・・え、え?」
続く言葉に目を丸くする。
持て成す側として振舞っていたから、こういった気持ちを告げられることはあまり無かった。

「あ」
喜びが飽和し、頬が赤く染まる。
「ありがとう、ございます。
ご参加いただけただけで嬉しいのに、まさか、こんなサプライズまで・・・」

言葉に詰まりながら受け取り、ちょっとまっててくださいね、とその場を離れる。
数分もしない内に戻った青年の手には、一輪の白い花があった。
「お返しに此方を、ステファノティスの花にございます。
花言葉は『二人で遠くへ旅を』・・・でも今は沢山のご友人がいらっしゃるようですから。
どうか世界の最後まで、優しい一時をお過ごしになれますようにと願っております」
最後にもう一度ありがとうと告げ、花束を大事そうに胸に置いた。

■こんなに喜んでいただけるとは。いい仕事をしました(満面の笑み:ひゅ

『彪月嬢、ですね、ご機嫌麗しゅう。』

元々この方の背は高く、自分とは頭ひとつと半程以上は差が
あるため、屈み込まれての対話となる。

花を愛する貴方にも、受け取る者と同じくようにと差し出す
それに、可憐に頬を染め。驚きを歓びを、あらわにしてくれる
千歳さん。

(やったわ、ウチもサプライズに成功なの。)

千歳さんの実況ね、自画自賛なんて、とんでもない。
風と大地と平原の。音を伝えくるようで、とても壮大でした。

二幕目の御衣裳の、れきさんの故郷にも。
こんな心地よい風が吹いているのだろうな、と思ったくらいよ。
華麗な幕開けを、ありがとうございます。

案内の方から、ゆっくりでいいと言われたのに。
背を押されるように、思わず走ってしまった。


やや急ぎ足で戻った青年から、南国の星に似た白の花を受け取る。
コサージュにして、髪飾りでも胸元にでも素敵なのだわ。

『二人で遠くへ旅を』

「ん。ここに似たどこかへ。ふたり、行くことができたならば。
それは、とっても。しあわせなことかと。思う」

俯いて、今にも泣き出してしまいそうで。

一輪の白を愛しく大切そうに両手で持ち。
同じく月の。星の名を持つ、夏の方へ。ありがとうは笑顔と共に。

□最後の酒を注文されて用意しようとしていたが@名も無きバーテンダー
 
やおら人造兵から、そっとメモが手渡された。

いつぞやの宴で結晶生物の少女が冬の恩恵と共に注ぎいれた、そのカクテル。
わいわいと戯れていた中、誰かをイメージしたカクテルを作りたい、と。
その結果、生まれた無茶振りの一品は。

クリーム・ド・カシスに抹茶アイス。
そこにエー酒を加えて、とどめとばかりの天魔氷結Lv1。
最後に雪の花を星屑のようにちりばめて。

「お待たせ致しました。
星屑の宴2008より『×××すぺしゃる』でございます」

口に含めば甘味に隠された強烈なアルコールが喉を焼く。
デザートが苦手でしたらお連れ様にどうぞ、と笑みヒトツ。
そうして彼は最後の注文のため、元の作業に戻った。


■★【閉幕のご挨拶】

アロー、アロー

皆様、大陸の終焉も二時間を切りましたね
数多の星空を駆け巡った、この星屑の宴にも終わりの時が近づいてまいりました

辛いこともあったでしょう
悲しいこともあったでしょう
怒れることさえ、あったでしょう

けれどその中で確かに響く、紡ぎあげた弦の上で

楽しい一時を過ごせましたか?
憩いの一時になりましたか?

もしもあなたの思い出の一片になれたのだとしたら、こんなに嬉しいことは無い

さぁ、惜しむ気持ちを優しく抱きしめて
私はあなた方に魔法をかけた
それは千年先も笑って踊って過ごせる、そんな魔法を

ご来場いただいた全ての方々へ
月の光から愛を込めて

以上を持ちまして閉幕の挨拶とさせていただきます
ありがとうございました

尚、区切りとしての〆を入れさせてはいただきましたが
国外社交場のフロアは引き続き開放しております!
どうぞ大陸の最後のその瞬間まで
語らいを、親交を、お食事を、歌を、ダンスを
引き続き、お楽しみくださいませ


(一礼
posted by 夏山千歳 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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