2012年01月05日

約束の地で 前編

■共通諸注意
この物語は千歳本筋RP番外編です
本筋RPは全体の流れとして非人道的(具体的には近親間の婚姻、カニバリズム等)な描写、設定が含まれる場合があります(アップする際に冒頭注意として上げていきます)
背後様が在学中の方はご遠慮願います
性描写はありません
道徳の分別、現実と創作の区別のつく方、上記の非人道的描写をエンターテイメントと割り切れる方のみ、御覧になってください

尚、作品中のゲストキャラクター様には、既に確認と了解を得てアップしている事を明記しておきます

■追記
今作品はセイリオス殿とエージュ会議室にて行った戦闘RPのログとなっております
今までの本筋RPの流れを汲んでおりましたので番外編扱いとさせていただきました
ご了承くださいませ


千歳本筋RP 第二部番外編:狼虎邂逅
2011年12月30日筆


..
■約束の地で

永寿の一日が終わる。

真冬の空気は澄んでいる。
赤く、赤く、燃えしきる太陽と大空を遮るものは何も無かった。

御手は全てに分け隔てなく届く。

広い空き地の四方には、それぞれ焚き火が用意されていた。
未だ日がさす時間帯において、それらが用意されていた理由はただヒトツ。

向かい合う二つの影。

片方は鍛え上げられ、引き締まった肉体を簡素な服の下に隠していた。
誰よりも速く、誰よりも軽く、そして誰よりも拳の重みを知っている男

片方は長身痩躯と頼りないが、傍らには巨躯の虎、身の丈を越す長斧。
何よりも深淵をたたえた瞳には、強い魔性をにおわせる。

一年をかけて。
ここに彼らの仕合が、実現した。

■轟雷流転:セイ

約束をした。
それは、一年前の宴での話。

武を競う館での。
小さな、可愛い乱入者により生じた縺れの先で。


「…全力でやる、そういう約束だったな」

視線の先。
その見た目に似合わぬ程の長斧と、巨躯の虎を従えた相手に声を向ける。
普段の穏やかな、和やかな彼の雰囲気からは中々想像のつかぬ、戦の姿。

「嬉しかったぜ、一年も前にあってそれを約束と覚えていてくれた事は」

彼は一人で戦う身ではない。
目前の虎獣然り、個々に命を持つ契りを結んだ仲間が居る。

「遠慮は無しだ、最初から全員喚んでおかなくて大丈夫か?」

それは、シンプルな挑発だった。
此方はただ1人の身。数が揃えば状況は多勢に無勢など最早承知の上。

だが否、と男の顔には笑みが浮かぶ。


「出し惜しみだけはしてくれるなよ。それが全力でねぇと分かった瞬間に、幾ら数で来ようが―――」


ごぅ、と風が嘶く。
抑えきれぬ闘志が溢れんばかりに大気に流れる。

「――その喉笛、一息に喰らい切るぜ」

ニィ、と浮かぶ笑みは獰猛に猛る程に。

「…さて、改めて名乗ろうか」

だが、爆発寸前でそれは穏やかさを取り戻す。

「狼家が一人、軍狼王がイージスの盾。預かるは風の頂にして今尚高みを目指すモノ。」

強き瞳に力を添えて。今一度真っ直ぐに。

「我が名は天狼、セイリオスッ!…いざ、尋常に勝負願おう。」

■それは緑色の目をした怪物で@千歳

「千歳も、嬉しかった」

南東和風の白い衣に、色気も素っ気も無い黒の羽織。
左頬の傷跡を隠すように極彩色の羽飾りが結ばれ、覗く二の腕はむき出しのまま。
指先の翡翠色だけが、周囲には見慣れた彼と共通する唯一だった。

「忘れずに居てくださった事が。
互い同じ意志であった事が、嬉しかった」
寒々とした格好でありながら、しかし顔色は変わらない。
長斧を地面に突き刺し、虎に騎乗した。

「遠慮は無しだ、最初から全員喚んでおかなくて大丈夫か?」
「カードは役を作り初めて戦場に出るもの、とはいえ」

手綱を二、三度引き、長斧を引き抜く。
体表から蔓草が生え出て、柄に絡まった。
その意匠は衣服と同じく素っ気無い。
龍骨を削りだし鉄の刃をつけただけの、見た目よりは軽く、同時に脆い代物だった。
「カード無くば役も揃わぬのも、また道理ね」

その全ては何時でも覚悟の表れだったのだろう。
高鳴る鬨の声。
向かい合って聴く事が実現するとは思わなかった、夢想するだけだった。


微笑み、瞼を瞑る。
目を開く。


「天狼セイリオス・G・カッシュ。
あなたに会うため、私は此処に来た」
彼はもう旅人では無かった。

「よもや血族全てが死に絶えようと、この全身全霊は永久に夏山を率いる」
治療師でもなく、宴に参席するものでもなく、ましてや穏やかな青年でも、無かった。

「私の名は黄昏の一族の末裔、夏山家当主、白妙之千歳」

風に溶けそうな穏やかな声が、凛とした張りを含ませる。
周囲には実体を持たぬ羽虫。
彼の脚となる虎、彼の暗器たる仔竜、血に潜む最秘奥の霊獣。

「この身に宿る血と歴史の全てをかけて」
そして、彼の姿を写した愛し子。

左手を向ける。
蔓草が展開する。

「参ります!!」

■:セイ
 
「…その名、覚悟。しかと聞き届けた。」

手札を揃えたと思しき彼の声を聞き存在を確かめ。
何時もと違う、堅さを持つ声でそう返す。

紅の魔狼。
紫雷の戦姫。
閃剣疾風の剣者。
重槍の紅舞嬢。
剛拳の獣王。
天蒼の龍。

この地で生きて、多くの戦場を駆け二人と居ない猛者と闘い抜いてきた。
まだ見ぬ強者との邂逅こそ、放浪を重ねる今、自らの願いであり生きる道。

だがその中でも、術者に類する相手と直接1対1で対峙した経験は少ない。
1対1という状況にならない事が通常と思えば、決して珍しい話ではないが。

目の前の相手は、その上でただの術者で済むわけでもないのは明白。

懐から1枚のコインを出せば「合図だ」と告げて宙へと弾いた。
それが地面に触れるその瞬間に、体は弾かれるように前へ駆ける。

「―先手は貰うぜ」

攻め方など、悩んだところで埒は明かない。
ただ、自らの生きてきた道で見極めるのみ。

風が右の拳へ集約し、それを地へと叩き付ける。

―風神拳・爆旋一揆 弐式

地から伸びるように生じた風の壁が、自分を中心として扇状に広がるように前進する。
その高さは4m程。勢いは決して早くないが、並に駆ける程では追いつけないそれが彼らへと疾った。

これでダメージを与えられるとは思っていない。
あくまで初撃、多数相手に放つ先手見極めの技。

破るか、越えるか、避けるか。
何れにせよ出る場が分かれば多数でも対処は見える。

「―シッ」

左拳に風を宿し、右手は刀の柄を何時でも握れるように。
低く身は屈め、壁を追うように速度を緩める事なく相手へと駆けた。

■@千歳

この大陸に降り立って、この人とは戦場を共にしたことが二回ある。
一度目は、紅の砂漠と京がぶつかり合った実弾演習。
津波のような人の群れの中、城門から蒼竜と空高く舞い踊る姿を見た。
二度目は、倭の都で開かれた武杯。
一対一の仕合において組み合わせは成らずも、風と雷が交差する音を聞いた。

騎乗獣たる虎、補佐を約する蔓草、音も光景も知覚する羽虫。
それだけを場に残し、他は全て消え去る。

夏山一族は、その血肉に蠱惑的とも言える魔力を有し、それゆえ魔性のものから狙われてきた歴史がある。
先祖はそれを逆手に取り、自らの血肉と引き換えに魔性を従える術を得た。
生き残る為の契約は、いつしか家自体の繁栄のための道具になり、非道とも呼べる手法で血を濃くしていった。
その栄光は当主が生まれる頃には既に没落していたが、濃すぎる夏山の血と、業だけが残されていた。

コインが弾かれる。
地面に落ちると同時に、天狼の拳も地面に叩きつけられた。

「左業の兵よ!」
虎が地面を強く引っ掻くも、動く事を許さぬまま。
左腕の蔓草を前方に向けて幅広く展開し、壁を作る。
その強度はあえて下げられ、引き裂かれた瞬間から次の蔓草が補うように生える。
質量による戦いは当主の十八番だ。
唸り声にも似た風を真正面からいなすが、次に来る天狼は、そうともゆかない。
ゆく筈がない。

当主は五体の精霊、霊獣と契約をしている。
血液に甚大な治癒の霊獣。
右腕に知覚の羽虫、左腕に守護の蔓草。
右耳に同化と内蔵の仔竜、両脚に進軍と突撃の騎獣。
各々に役目を持たせ、その全てを統括しなければ戦うことも出来ない、弱いただの人間であると。
これまではそれで良かった。
しかし、それでは足りないのだと欲が出た。

風が弱まるタイミングを狙い、蔓草の役目を変える。
身を守るためのものから、武器を取り出すプロセスへ。

「ッ、たああああああぁぁぁぁ!!!」

響き渡る、幼く高い場違いな声。
蔓草の間から『現れた』のは、身の丈70センチ程の少女。
彼女は生命を持たぬ機械人形のメイド、名はムーン。

人形は全身から放電をしていた。
主人に伴い戦場へ赴き、時にその盾となる機械人形にはヒトツの機能が搭載されている。
オーバードライブ、命を持たぬモノの純粋なる魂の叫び。
安全なラインを越えて、内蔵されたマナを燃やし尽くす事で、常以上の身軽な動きを可能にする諸刃の剣だった。

その拳の重みを、教えてください。
人形は確かに天狼に、そう告げた。

現れた勢いそのままに跳躍する先は、此方へ疾走する天狼。
ぶつかり合う狼と猫。
手にしたモップを、愚直なまでの全力で振り落とした。

■:セイ

心の奥底で小さく、嬉しい舌打をする。

爆旋一揆の風の壁は、本来は包囲網の突破を図る技。
四方八方からの多数で生じる挟撃を封じ、破り得る少数を叩いて突き抜けるのが定石の使い方だ。

その為に、同じ質量によるスタミナ勝負では少々分が悪い。
やがて蔓草により壁の厚みは薄らいでいく。

だがそこで退くわけにはいかない。
それだけの大質量、一度に引き込める事叶わないと踏み、逆に抜ければ懐へ入る機会が生じるからだ。

だが。

『ッ、たああああああぁぁぁぁ!!!』
「!?」

響いた声と共に蔓草を縫い現れた少女の登場が、その読みと試みを見事に破る。

互いに駆ければ、最早目前。

いなせば被害は最小限に抑えられるが、待つのは挟撃。
その危険性は勿論だったが、何より。

「…その気迫、重み。受けて立たなきゃ戦士の恥か。」

腰あたりに抜刀せんと構えていた手が抜くには半端に間に合わぬと手刀を創る。


――鏡神映身流・拳闘術 手鋼刀


“気”を集中・凝固させ刃の強度を手に保ち、その全力の一振りを迎え撃った。

「ぐ…づぁ!」

切り結ぶ衝撃と共に発されている放電が体を伝う。


「いい一撃だ…が、雷にゃぁ慣れてんだ、よ―!」


踏み込む右足と共に、切り結んだ右手を引きながら右肘を上げ引き寄せた少女の身を軽くトンと肘で浮かし。

「捻るは流れ。描くは螺旋。全てを飲み込み刻め竜巻――!」

自らは同時に捻る体は反時計に一回転。左手が途中で蔓草に向けば、詠唱が完成し宿っていた風が横殴りの竜巻となって、一息に蔓草の壁を捻じ切り穴を穿たんと放たれる。


―風魔症・咆龍旋


だがそれも足止めの一手。
一回転しきった体は、再度右足を軽く減り込む程に地へ踏み込んで。


「―鏡神映身流、」

右手が象る掌が、少女の鳩尾辺りへ捻るように潜り込む。
外部衝撃の破壊と寸系の内部破壊を行いながら天高く宙空へ放り上げる身体破壊。


―拳闘術・右王崩旋駆


入れば少女の体は捻り抉る衝撃により回転するように天高く上がるだろう。
同時に追撃せんと地を蹴る自身が、狙うはその身に逆回転の抉りを放つ締めの奥義“逆鱗掌”

素直に入るか否か、少女の反撃か青年の制止が入るか。さて。

■@千歳

蔓草は、実在の蔓草ではない。
此世へ干渉するための手法であり、青年の身体から寸断されれば塵となり消え去る存在だった。
だが此世に干渉するという事は、此世の理をもつのと同意になる。
質量を増せば増すほど、青年の動きが拘束されるのは自明だった。

この勝負、懐に入られれば。
それが高い確立で、こちらの敗する瞬間になる。
身軽さを武器とする武芸の達人に対抗する手段は、持ち合わせていないに等しい。

だから布石を打った。

勢いを強めれば強めるだけ、カウンター効果となる。
それは天狼には勿論、人形にも適応される。
モップと手刀が打ち合う、轟音の中にビキビキと鈍い音、そして耳をつんざく高い音。

ガラス瓶が割れる。
上空から滴り落ちる赤い水、むせ返る金木犀の薫りの。

人形は小児程度の大きさの身体しか持たず、それゆえ何もかもが軽い。
反動で舞い上がり、上空から再び攻撃に転じるつもりだったが、そのアテは外れた。
折れたモップと人形の腹に突き刺さった拳。
あまりに容易く、そして予定とは全く異なる意図で、天へと投げ出された。

この身は奇襲のための武器だ。
しかしそれ以上に、愛玩人形であり、従者であり、何よりも。

「せん、せ」

その小さな身体は場外へと落下した。
人形のマナが消費され尽くす。
軽すぎた体重ゆえか、幸いな事に致命的な内部破壊は免れた。

そして人形の離脱さえも、策の内。

天狼と当主を阻む蔦の壁は、もはや存在しない。
が、そこにあるのは風穴をあけた大壁ではない。
塵となり消えつつある、残骸だけ。
その先に当主は居ない。

当主を乗せて虎が駆ける、横へ。
当主とは真反対に一本の蔓草が豪速で伸びる。
それは長く太い注連縄を絡ませ、当主と天狼を内側に囲む形で。
あと10秒とかからず、その円は完成する。
そして当主と虎には、細い注連縄が纏われていた。
それが意味するものは。

「さぁ、夏山千歳の世界をお見せ致しましょう」

当主は人形を省みなかった。
何故なら彼女は武器であり、役目を持っていたからだ。

開始と同時に踏み込むであろう、天狼から時間を稼ぐという役目は、その身を捨て去る事で成し遂げた。
そしてもうヒトツの役目、もうヒトツの布石。
人形に持たせた小瓶に仕込んだ、自らの血液。
それが天狼に降りかかれば、この罠は完成する。

円が出来る。
神に捧げられた稲から出来た藁を、神僧の手で編まれ、湖の水で清められた注連縄。
それは外界と内界を切り分ける、結界になる。

一本目、太く長く戦場を囲む境界は『此世』と『彼世』。
二本目、細く短い当主を囲む境界は『彼世』と『此世』。

『彼世』には、夏山の血肉に恨みを持つものが集う彼岸のモノが集い来る。
だから二重の結界を構成することにより『彼世』から自分を切り分けた、そして天狼を『彼世』におさめる必要があった。
しかし元より強固過ぎる結界の扱いは不得手、どちらの結界も持って30秒。

結界が発動する。
幾万の鈴の音が鳴る、幾多の異界のモノが現れる、夏山の血肉を食いちぎらんと、咆哮する。


天狼に血液がかかっていれば、その役は滞りなく完成する。

■観戦エリアから(あったのかそんな場所:灯

名乗りの頃から物見遊山、
宴準備の隙を見て一服中の白衣1人。

無論、周囲にはひっそりと結界を張ってある。
何しろ一方は風遣い氏、
ギャラリーにまで影響が及ぶほどの力を優にお持ちの御仁だ。
万全を期さなくてはな。

初っ端から風緑の攻防が鮮やかだなあと思っていたら、
ウチの助手が突貫→吹っ飛び→落ちてきた(爆

慌てて結界を解き、ムーンを取り込んでまた閉じる。
とはいえ、

「あーあー; 俺はキカイは解らんからなあ…」

損壊が酷いが、何やらまだ作動中の箇所はある模様。
とりあえず脇にそっと寝かせつつ、視線を前方に戻す。

それにしても今回は皆、遠巻きかね。
間近で迫力を味わうも良し、だぞ。

■(ふらりと:狐

聞き覚えのある声が聞こえた気がして足を止めれば
ここには然程似つかわしくない感覚
けれど、それは直ぐに影を潜めて

興味を抱き其方へ向かう

目に映ったのは――ぶつかり合う2匹の獣


奔流する力に撫ぜられる心地良さに心が躍る、が
場外へと飛んできた人形の姿に我へと返る

彼等に此方を攻撃する意思等在ろう筈も無い
其れでもこんな間近に突っ立っていられる程
生温い闘いでも無いだろう

少し距離を置こうとし見付けたのは、
結界らしきものの中から人形の子を引き寄せる
闇医者さんの姿

名前は確か…

「突然ごめんなさい、
もし良ければ入れて貰えない…?」

軽く結界の壁をノックし、そう問い掛けた

■機械人形の魂は@ムーン

ぽいーんと呼ぶには、あまりにも鋭すぎる風を受けて。
意識を失い場外へ飛ばされた人形。
意識を取り戻したのは、マナを吸収する脊髄が奇跡的に破壊されず、マナの補充がなされたからか。
それとも、かぎなれた消毒薬の匂いがしたからか。

「・・・・、せ?」
視覚器官が作動するも、傍らの黒衣に違和感を覚える。
マナを消費し尽したのが良かったのか、放電はすっかり収まっていた。
起きたのかい、と手を差し伸べられた気がしたが、触覚器官は誤作動を起こしている、らしい。
ノイズの酷さに不愉快を覚えながら、傍らに笑いかけた。

「せん、せ、ムー・・・ン、ね。
いたいって・・・ね、わか・・ないの、ぉ」

腹を中心に損傷したせいか、発声器官にも影響が大きい。
しかし聞き取りにくい声に、痛々しさも、か弱さも無かった。

「でも、セ・・・リオスさ、まのこぶし、ずんって・・・おなかに、きて、ぴりぴ、り、して」
人形に痛覚らしい痛覚は搭載されていない。
猫らしい仕種をすることがあっても、あくまでプログラミングされたゆえの行動でしかない。
だから。

「いたい、て、いきてるって、こーなの・・・かなって、おもった」
命あることへの。
生きることへの。
隠し切れない憧憬を、その瞳に乗せる。

「せ、・・せ、こぶしのおも、み、ムーン、しったよ」
ぱたりと尾を動かして、まことに嬉しそうに笑った。
ノイズの合間のノック音に反応を返しながらも、眠るように目を閉じる。

破壊され、へこんだ腹部は見た目にも痛ましい。
しかし、その笑顔には、明日を生きる強い力が宿っていた。
posted by 夏山千歳 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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