2012年01月01日

2011年 星先案内人




..
■星先案内人@千歳

月食を迎えた夜空を伴う、金色のダンスホール。

「初めてお越しの貴方に、ようこそいらっしゃいました」
「再びお越しの貴方に、どうぞおかえりなさい」

やたら背の高い青年と結晶生物の少女。
兄妹のような慈しみが重なる声に表れる。

「今年も無事の開催となりました」
「期待に胸を膨らませ、でも初めての方には不安かしら」
「そんな皆様のために、これより見本となるダンスを披露致します」

spade of Liliumが手を広げ、Diamond dustは胸に置く。

「鐘の音をstanry殿に」
「歓喜の歌をホルトナ・ポゥ様に」

唱和する。

「「奏でていただきましょう、オープニングダンス」」

■・:ユキ 

睦まじく踊る2人の動きが止まり、管弦の余韻が残る。
名残惜しげにそれは空中に消え入る。

「これにて、区切りとさせていただきます」
spade of Liliumの静かな声。

「stanry様、ホルトナ・ポゥ様、素敵なダンスをありがとうございました。
 皆様、どうかお2人に、盛大な拍手を^^*」
Diamond dustの謐なる声。

男女の声を皮切りに会場は大きな拍手に包まれ、荘厳な空気を恭しく入れ替える。

「それでは次にダンスと区切りのレスについて説明を致します」


■この心に染み入る雪は、温かい@千歳

君とこの場に立つのは四度目だね。

二度目に参加した宴では、オープニングダンスを予定していた組の都合が合わず、急遽抜擢された。
あのダンスが最後だと思った。
春の若草が足元を満たし、夏の光が葉を更に色濃くし、後に残る金の床は一面の麦畑となる。

翌年、三度目の宴は同じ理由で、また貴女とオープニングダンスを踊った。
管弦の始まりが再生を歌う。
かけがえのない友人の手を取ることに、終わりを記さなくて良いと知った。

四度目の宴は、恐らくあの方の粋な采配で、主催側として携わった。
慈しみ合う兄妹のように寄り添い、手と手を重ねる。
円が出来上がった。

そして今年は五度目の宴。
トラブルはあったものの、無事に終えた見本のダンスに、無意識のまま深い溜め息が漏れた。
「千歳様、お疲れ様?」
「あぁ、ユキ嬢こそ、お疲れ様です」
「いいえ、千歳様、疲れているみたい」
その視線で齟齬を知る。
「疲れたと申しますか、終わったんだなぁってね」
頭を撫でる。

「今年も千歳の我侭に付き合ってくださって、ありがとう」
再開された受付を確認し、裏手に脚を運ぶ。
少し合間を見て一服しようだなんて企みながら。

「まことに、最初から、ずっと一緒でしたね」
君と過ごした日々は、何ヒトツとして私を傷つけやしなかった。
なのにあの日、君の香りがしたことを、私は知っていた。

貴方の望む時は、いつでも。
君はその言葉を守り続けてくれたけれど。
私は、君を幸せのヒトツであれたかな。

My little snow、それは夏の雪。
溶けること無く人々の心を温める雪。

「ごめんね、・・・ありがとう」

恩愛を、これからも、ずっと。

■社交場のどこかで:ユキ

大きな手に頭を撫でられる。
ありがとうとごめんねを繰り返す青年はやたら背が高く、頭頂には届かないためその手の甲を撫でた。
何を謝るかがわからなくて。
何を言わんとしているかは理解できる。
しかしそれは必要のないものだ。

「まことに、最初から、ずっと一緒でしたね」
「そうね、ずっと」
青年の言葉に頷きながら思い出していた。
ずっとこの方が導いてくれた。
世界でヒトツのドレスを着せて、手を引いてくれた。

「千歳様、私、星屑の宴が大好きよ」

たくさんの縁が結ばれて、それが1年経っても途切れずずっと続いている様は傍目にも嬉しい。
自分はいつまで経っても誰かの名を呼ぶにも躊躇うけれど、いつも円の中に連れていってくれてありがとう。
始まりの根。
支えの幹。
時に手をとり枝となって。
貴方の笑顔が星屑の中で花咲くのが何よりの喜び。

「いつもタクサン、ありがとう」
posted by 夏山千歳 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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