2011年09月01日

マナ

■共通諸注意
この物語は千歳本筋RPです
本筋RPは全体の流れとして非人道的(具体的には近親間の婚姻、カニバリズム等)な描写、設定が含まれる場合があります(アップする際に冒頭注意として上げていきます)
背後様が在学中の方はご遠慮願います
性描写はありません
道徳の分別、現実と創作の区別のつく方、上記の非人道的描写をエンターテイメントと割り切れる方のみ、御覧になってください

尚、作品中のゲストキャラクター様には、既に確認と了解を得てアップしている事を明記しておきます


千歳本筋RP 壱


..
眠りから死への境界は曖昧だ。
たっぷりと黒く淀んだ世界に落ちてゆく。

古来から尋常ならざる覚醒は神霊の儀において重要な役割を占めてきた。
憑依のためのよりしろとして自我を奉じる。
一方で深い眠りもまた、その神秘性から同等の役割を担ってきた。
殻になった肉体こそが御魂と現世を繋ぐ数少ない方法だと、深く信じられてきた。

ならば肉体から放り出された魂は何処へゆくのだろう。

器に宿った神の御手に抱かれるのか。
おさまる先もなく森羅万象に委ねるのか。

どちらも、それは通常の生ではありえぬ事。
神に内包されようとも、自由の身となろうとも。どちらにせよ肉体と精神の分離した状態では『私』は『私』とは呼びがたい。
生存を司る肉体、人格を司る精神、存在を司る魂。
その全てが揃って初めて個は成立するのであれば、欠けた存在は個に遠く、それは死により近い現象ではないだろうか。

ならば、そここそが生と死の境界線上にあり、その果てに待つのは扉無き扉だと推測した。



青年はゆっくりと落下してゆく。
何度も体験した鮮やかな一面の黒。
そこは青年にとってひどく慣れ親んだ世界だ。

青年が望めば、使役する幾つもの魂が実体として姿を現す。
しかし使役とは魂の一部を混ぜる行為でしかない。
私は彼方、彼方は私。
そこには孤独しかない。

構築した理論に従うなら孤独であってはならなかった、孤独にならねばならなかった。
肉体と分離するためには、何かを召喚し憑依する必要性がある。
しかし青年は既に取り憑かれていた。
幾つもの精霊や霊獣と契約を交わし、常にその身に従えていた。
つまり青年は常日頃から曖昧な境界線にいると言える。
そういった意味で、ここは慣れ親しんだ世界だった。
慣れきった曖昧は青年を導かない。
この黒の先にあるものから一歩進む為には、集合体であってはならなかった。

黒に幾つもの影が生まれる。
それらは全てが青年の一端であり、青年自身だった。
歪な骨格の獣が背を向ける。
金飾りの獏、寸断された蛇が天の光に還っていく。
花の仔竜が胸をすり抜ける。
巨躯の虎が駆けて行く。
彼らは魂の束縛から解き放たれる。
精霊にこの身の全てを譲り渡した瞬間、彼らは個になる。

青年は孤独になる。
posted by 夏山千歳 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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