2017年09月13日

八回忌

カードを裏返せ。その全てが、私が負けるための役。生きねばならぬと、いずれなにもかも愛さざるをえないのだと、私に諦めさせるための役。愛することが傷つけることならば、私を負かせてご覧なさい。そうでないのなら負けるがよろしい。夏山千歳は誰のものにもなるまい。ならば、この勝負、すべてわたくしの勝ちにございます。ベットは私の命、私の全て。いかなる全てを以てして、永遠におさらばさせていただきます。
だけれど、そんなことは寂しいって、本当は存じておりますとも。幸福とはなんでしょうね。わがままな千歳は、永年、わがままなだけのそれにございますとも。わからずやの恥知らずですとも。存じております。愛とは、なんでしょうね。もっとわがままを言えば良かった…だから、わがままを申し上げておりますとも。ね、わがままを仰いなさいな。あなたのなさいたいことを、口にしなさいな。いずれ幸福が輪廻となることを望むのなら、断ち切ってはならないのです。千歳は、そう学びました。わからずやの恥知らずな頑固者に、ここまで思わせたのですから、それがつまり愛ではなくて何なのでしょう。死にたいとしか思わなかった千歳に、幸せになりたいと思わせたことが、あなたの愛なのです。まこと不思議にございますね…愛することは傷つけることでは、なかったのでしょうか。相反しております、不可解です。理解しがたき構造的欠点にございます。幸福とは、なんなのでしょう。それは一体、奈辺にありましょう。
カードを裏返してください。その全てが、私が負けるための役。ただのつまらない、ありふれた、頑固者の千歳に、優しくしてくださってありがとう。七周忌ですね。今年の残暑は、優しいですね。..
posted by 夏山千歳 at 21:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月11日

もう誰も居ないこの世界の中で

 何かの漂流の末に行き着いた全ての可能性、ましろがシェイクスピアを書き上げる程の奇跡、軌跡を以て、いずれそうならなければ良い、という祈りばかりが、この身を焦がす。つまり、そう、最早不要であるのだと。ならばようやく私は私の生に当たって一つの事実を記すことを赦そうと思いました。
 夏山千歳は、故人です。古の大陸崩壊時に自死致しました。

 それがこの生の結論です。

 歌を歌って欲しかった、愛の歌を。魔法をかけて欲しかった、愛の魔法を。私にとっての歌は、もう終わらせて良いとの許可。私にとっての魔法は、共に生きていこうと差し伸べてくださる御手。とても存じているのです。存じているのです。そんなものを両立さえようなどと、愚の骨董。恥を知れ。終わらない問いかけと怨嗟の念の中で、ようやく浮き彫りになりました。千歳をその手にかけようとしてくださって、ありがとう。手を刺し伸ばしてくださって、ありがとう、と。
 とても考えました。とてもとても考えました。自分のために生きること、誰かのために生きること。そのどちらも得難く尊いものなのだと、天秤にかけるのさえおこがましい。何故なら、誰かのために生きることなど、自分のために生きることに他ならないのだ。夏山千歳のゴーストは教えてくださいました。夏山千歳が穏やかに笑って生きていてほしいという他者の夢が、陽炎を産みました。あれは大多数の他者の子供と呼ぶにふさわしい存在なのです。だから消えました。自立する意思のない魂は、崩落する幻想に巻き込まれて圧死するだけなのです。ならばこそ自分のために生きてゆくこととは、何だろう、と、思いました。

 誰かのために生きてはならない、という枷こそが、その答えだとしたら。世界はこんなにもさみしい。

 ああ、夏山の地が、同族殺しの血で穢れてゆく。ですがもうそんなのはどうでもいいのです。至る呪いはいずれ決壊する。隔離した境界が結界と呼ばれるように。夏山は、もう、終わりです。それで良いのです。私の名は夏山千歳。ただの夏山千歳。もう夏山家当主白妙之千歳は、この世には存在していないのです。そして存じ上げております。どなたももうこの告解に辿り着かないと。だって、そうでしょう、死人に梔子。千歳と言う魂は、もう誰の中にも、残っていないのです。私がそう信じております。
 ……ごめんなさい、嘘です。私の魂の片割れ、私の永劫回帰の夢。ただただ優しいだけの、毎日。そういったものを知っております。識っております。千の幸いよ、星となれ。私の届かなかった白鳥の頂に、お行きなさい。
 だから、だから、千歳は終わりで、もう良いでしょう。いいえ、ごめんなさい。しかして届かないと知りながら、私は唯一残した約束に胸を痛めている。私はあなたの壁となる。その約束を、もう覚えていらっしゃらないであろう約束があるものと認識している。しかしていずれ風となり、消えてゆくのなら。
 未練が、あるのです。
 それでも夏山千歳は、もう故人です。こんなにべらべらと喋る故人だなんて、おかしいことですね。ですが真実です。私は私の手で私の生を終わらせました。誰にだって譲ってやるものか。一生涯、己を恨め。私を恨め。ですが真相は案外、優しいものですよ。目を瞑ると優しい暗闇が待っているのです。ようやくこの責務から解放されるのです。夏山千歳と言う名の責務。だから。
 誰にも見つからねば良いと思う気持ちと、誰かに見つかるだろうと言う矛盾を抱えて、私は瓶詰の地獄を放流することに致しました。これが四年目の真実。さようなら。私は再び瞼を閉じる。次に寝覚めるその時まで。
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2014年10月29日

きをうえる

posted by 夏山千歳 at 21:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月03日

光の中(overture)

■共通諸注意
この物語は千歳本筋RPです
本筋RPは全体の流れとして非人道的(具体的には近親間の婚姻、カニバリズム等)な描写、設定が含まれる場合があります(アップする際に冒頭注意として上げていきます)
背後様が在学中の方はご遠慮願います
性描写はありません
道徳の分別、現実と創作の区別のつく方、上記の非人道的描写をエンターテイメントと割り切れる方のみ、御覧になってください

尚、作品中のゲストキャラクター様には、既に確認と了解を得てアップしている事を明記しておきます


千歳本筋RP 第四部:オープニング
2013年9月3日筆



夢を見ていた。


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2013年09月01日

二頁目

それぞれ、基本的に時系列順で並んでおります


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2013年08月31日

Dandelion boy

男性同士の恋愛描写があります、ご注意ください
八珠堂威紺のPL、もも氏との競作です


イズレーン郊外の一軒家。
古い倭建築は立地の不便さからか、二人で暮らすには十分過ぎるほどの大きさがあり、結構な面積のある庭が広がっていた。
裏手には納屋と馬舎があり、美しい牝馬が繋がれている。
縁側、ガラス戸、障子、畳、文机。
この国ではありふれたもので構成された、どこか懐かしい空間。

周囲に人家はない、お隣さんに行くのだって歩いて10分はかかるだろう。
反対側に少し歩けば、広大なひまわり畑がある。
縁側に置いてあった本が風でめくれる。

and today, you

ここが僕らの暮らす家。
僕らが家族になっていく場所。


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2013年08月19日

残暑見舞い申し上げます

追記はオマケのブロマイド風です

mzgc01.png


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posted by 夏山千歳 at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 絵画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月26日

君の傍で眠らせて。

男性同士の恋愛描写があります、ご注意ください


ぐー、と伸びをする。
青年の手元のメモ帳にはびっしりと魔術論理が書き込められていた。

「なぁ、クロス、聞きたいことがあるんだ」

午前中のことを思いだす。
新緑の髪をゆらす小さな女の子に聞いた理の一部を。


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posted by 夏山千歳 at 13:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 火の鳥の手紙、又は手記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月07日

いつかの君と僕が生きていく、この地平線の上で 後編

男性同士の恋愛描写があります、ご注意ください


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2013年04月06日

いつかの君と僕が生きていく、この地平線の上で 前編

男性同士の恋愛描写があります、ご注意ください


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